目でみるシリーズ 画像でみる緑内障の病態
第10回 OCTによる新しい乳頭縁BMOとPPA解析
大久保 真司
1
1おおくぼ眼科クリニック院長/金沢大学医薬保健研究域医学系臨床教授
pp.1-5
発行日 2018年3月14日
Published Date 2018/3/14
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.00.55_0001-0005
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ここ数年,光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)の普及に伴い,緑内障の診断において乳頭周囲の網膜神経線維層厚や黄斑部の網膜内層厚が重視され,視神経乳頭所見や乳頭解析が軽んじられる傾向にある.しかし,従来から緑内障において最も臨床的に認識されている構造的な変化は,視神経乳頭の全体的または局所的なリムの菲薄化と乳頭陥凹の三次元的な拡大である.したがって,緑内障を診断し,その経過観察を行うためには,視神経乳頭,特に乳頭の陥凹およびリムを評価することが重要である.近年,OCTによる新たな乳頭縁の定義であるBMO(Bruch’s membrane opening)が提唱され1),OCTならでは可能である乳頭解析が注目され,さらにBMOを基準とした乳頭周囲網脈絡膜萎縮(parapapillary atrophy:PPA)の分類が可能になった.緑内障診療のブレークスルーとなったBMOを中心に,BMOを基にした乳頭解析およびPPA解析による緑内障の病態解明が期待される.
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