特集 貧血と諸疾患の機序を探る
骨髄異形成症候群の疾患単位を規定する変異
南谷 泰仁
1
1東京大学医科学研究所造血病態制御学分野 教授
キーワード:
骨髄異形成症候群
,
SF3B1遺伝子
,
TP53遺伝子
Keyword:
骨髄異形成症候群
,
SF3B1遺伝子
,
TP53遺伝子
pp.27-32
発行日 2021年11月20日
Published Date 2021/11/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.39.11_0027-0032
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骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes:MDS)は,骨髄異形成による造血不全と,急性骨髄性白血病への進展を特徴とする腫瘍性疾患である。骨髄造血幹細胞の遺伝子異常をもつクローンが増殖し,ある程度の大きさになったところで症状が出現する。しかし,MDSには多くの場合,遺伝子異常が複数みられ,その組み合わせによって病態や予後が決まると考えられている。MDSにみられる遺伝子異常についてはこれまで多くの報告があり1)2),細胞異型や予後に対する影響に対する研究も進んでいる1)-5)。MDSの遺伝子異常の全容については優れた総説があるため,そちらを参照されたい5)-7)。本稿では,MDSの亜型を規定する遺伝子異常について,最近の話題を中心に説明する。「KEY WORDS」骨髄異形成症候群,SF3B1遺伝子,TP53遺伝子
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