特集 小児の治療方針
6 循環器
心筋症
廣野 恵一
1
1富山大学医学部小児科
pp.373-376
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000255
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肥大型心筋症(HCM)は,著明な心筋肥大により心室内腔が狭小化し,拡張障害をきたしている疾患である.心室への流入血液量が減少し,心拍出量の低下をきたす.小児期では無症状のことが多いが,運動中の失神や突然死が初発症状のことがある.運動制限と,β遮断薬やCa拮抗薬による治療を行う.
拡張型心筋症(DCM)は心筋収縮不全により心拡大をきたし,心不全が進行する予後不良の疾患である.左心不全症状が主体で,乳児では哺乳不良や体重増加不良,年長児では運動時の易疲労性が認められる.急性左心不全にはカテコラミンや利尿薬による集中治療を,慢性期心不全ではアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬,β遮断薬,利尿薬を主体とした治療を行う.
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