特集 慢性疼痛で悩んでいませんか? 困ったときの包括的ガイド
総論
慢性疼痛の病態生理学―末梢から中枢神経系のメカニズムと臨床的表現型―
二階堂 琢也
1
,
松本 嘉寛
1
1福島県立医科大学整形外科学講座
キーワード:
末梢性感作
,
中枢性感作
,
下行性疼痛抑制系
,
pain matrix
,
可塑性
Keyword:
末梢性感作
,
中枢性感作
,
下行性疼痛抑制系
,
pain matrix
,
可塑性
pp.393-397
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000001767
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Headline
・慢性疼痛は,末梢性感作→脊髄での中枢性感作→下行性調節の失衡→大脳ネットワーク(pain matrix)と中枢性の可塑的変化という多層の連鎖で説明できる.
・末梢性感作では炎症メディエーターにより受容器閾値が低下し,局所の圧痛閾値低下が認められる.代表例として関節リウマチ・変形性関節症・術後急性痛・帯状疱疹などがあげられる.
・中枢性感作では痛覚過敏・アロディニア・疼痛範囲拡大と画像所見との乖離が特徴で,定量的感覚検査(QST)や広範囲の圧痛評価が有用である.代表例として線維筋痛症,非特異的慢性腰痛の一部があげられ,変形性膝関節症にも認められることがある.
・下行性疼痛抑制系は,大脳皮質から脳幹を経由し脊髄後角に至る下行性経路によって痛みの伝達が抑制される経路で,抑うつや不安を合併する患者で機能の低下が認められる.
・慢性疼痛では,シナプス伝達増強を伴う中枢性の可塑的変化が固定化して,侵害受容情報が強く脳に伝えられている可能性がある.

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