特集 ここが知りたいアルコール性肝疾患―お酒と肝臓の上手な付き合いかたとは?
アルコールによる肝臓ダメージを治療する
アルコール性肝細胞癌の現状と治療
大浦 杏子
1
,
森下 朝洋
1
,
正木 勉
1
1香川大学医学部消化器・神経内科学
キーワード:
アルコール性肝障害
,
肝細胞癌
,
肝硬変
,
疫学
,
治療
Keyword:
アルコール性肝障害
,
肝細胞癌
,
肝硬変
,
疫学
,
治療
pp.1137-1142
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000951
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Headline
・近年,肝炎ウイルスに起因しない肝細胞癌(HCC)が急増しており,生活習慣病だけでなく,アルコールが最大の病因である.
・アルコール性HCCは発癌までに適切なサーベイランスや治療介入が実施されておらず,診断時には肝線維化が進行し,進行癌で発見されることが多く,予後不良である.
・肝発癌には酸化ストレスや免疫学的機序,マイクロバイオームが関与することが報告されており,将来的にはこれらを標的とした治療戦略の開発が期待される.
・HCCに対する治療成績は向上しているが,アルコール性HCCでは癌自体に対する治療だけでなく,前癌状態としてのアルコール性肝障害,特に肝硬変患者に対する早期の治療介入が重要であり,診療科連携や多職種連携による治療介入が不可欠である.
Copyright © 2024, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.