特集 今おさえておきたい呼吸器診療
おさえておきたい呼吸器疾患の診断・治療 肺非結核性抗酸菌症の診療
田中 剛
1
1東京大学 大学院医学系研究科呼吸器内科学
キーワード:
喀痰
,
気道感染
,
胸部X線診断
,
血清学的検査
,
抗細菌剤
,
細菌抗体
,
鑑別診断
,
多剤併用療法
,
結核-肺
,
肺疾患
,
非結核性抗酸菌症
,
予後
,
Mycobacterium avium Complex Infection
,
細菌培養
,
胸部CT
,
塗抹標本
Keyword:
Antibodies, Bacterial
,
Respiratory Tract Infections
,
Serologic Tests
,
Tuberculosis, Pulmonary
,
Sputum
,
Anti-Bacterial Agents
,
Lung Diseases
,
Mycobacterium avium-intracellulare Infection
,
Radiography, Thoracic
,
Mycobacterium Infections, Nontuberculous
,
Prognosis
,
Drug Therapy, Combination
,
Diagnosis, Differential
pp.1439-1444
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2023029166
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<Headline>1 肺非結核性抗酸菌(NTM)症は,中高年に好発する難治性の呼吸器疾患であり,近年,増加傾向が指摘されている。日本では,肺M.avium complex(MAC)症が肺NTM症のうちの8~9割程度を占めている.2 肺NTM症は,抗酸菌感染症に特徴的な画像所見と2回以上の異なる喀痰検体からの菌の検出などにより診断する.画像所見から肺結核がより強く疑われる場合には,早急に専門施設への紹介を検討する.3 肺MAC症は,長期間にわたる多剤併用療法を要するが根治は難しく,治療に際しては専門医との連携が望ましい.MACの耐性化を避けるため,クラリスロマイシン単剤による治療を行ってはならない.4 肺MAC症は,緩徐な経過をたどり長期の予後を見込める疾患である.予後を悪化させる因子としては,男性,空洞形成,body mass index低値などが報告されている.
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