特集 知っておきたい血栓予防療法のエッセンス
血栓形成の病態生理と抗血栓薬 経口抗凝固薬の作用機序と使い方
後藤 信哉
1
1東海大学 医学部内科学系循環器内科学
キーワード:
Antithrombins
,
Warfarin
,
抗凝固剤
,
血液凝固因子Xa阻害剤
Keyword:
Antithrombins
,
Anticoagulants
,
Warfarin
,
Factor Xa Inhibitors
pp.423-426
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2022155469
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<Headline>1 経口抗凝固薬にはビタミンK依存性の凝固因子の機能的完成を阻害するワルファリンと、トロンビン、Xaなどの凝固因子の機能を可逆的に阻害する直接経口抗凝固薬(DOAC)がある。2 ワルファリンは複数の凝固因子のGlaドメインの完成を阻害する強力な抗凝固薬である。血栓イベント予防効果は強力であるが、重篤な出血合併症予防のためのモニタリングが必須である。3 DOACでも重篤な出血イベントは起こるが、抗凝固効果の個体差がワルファリンほど大きくないためモニタリングは不要である。4 心房細動の脳卒中予防、静脈血栓の予防・治療の適応を目指すDOAC開発試験は成功したが、心房細動のない塞栓性脳卒中予防、急性冠症候群などへの適応拡大試験は失敗した。5 1社独占体制が終わる特許切れ後にDOACの真の価値が解明されると期待される。
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