Special feature 施設・場面など特性に合わせた感染対策の工夫
❺国際空港検疫から外国人の入院がある病院での感染対策
野﨑 裕広
1
1常滑市民病院呼吸器内科 副院長
pp.107-113
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000384
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,当初は外国のことであり,国際空港・港湾近隣の医療施設の問題ととらえられ渡航者制限・検疫強化・国際空港近隣医療機関での隔離対応といった対応がなされた。短期間に感染は国内に拡大し,全国の一般医療機関が対処すべき状況となったことは記憶に新しいところであろう。COVID-19パンデミック感染状況から,改めて,現代はボーダーレスであり,海外での感染症を人流が持ち込み,拡大してゆくことが実感された。常滑市民病院(当院)は,中部国際空港セントレア直近に位置し,エボラ出血熱をはじめとする検疫1号から各種輸入感染症にいたる輸入感染症の水際対応を行う特定感染症指定医療機関である。COVID-19のように,空港・港湾から距離的に離れた国内一般医療機関でも,水際対策をすり抜けた輸入感染症や,検疫対象ではない帰国者特有に認められるこれらの感染症の診察の可能性は十分あり得る。当院での渡航関連感染症の感染対策につき,当院感染対策マニュアルをもとに紹介する。
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