特集 もたらす利益は想像以上!口腔ケアが導く感染対策
口腔ケアにおける職種連携 歯科医・歯科衛生士の効果的な介入法
松尾 浩一郎
1
1藤田保健衛生大学 医学部歯科
キーワード:
看護師
,
口唇
,
歯科医師
,
歯科衛生士
,
舌
,
専門職間人間関係
,
唾液
,
意識調査
,
口腔ケア
Keyword:
Dental Hygienists
,
Dentists
,
Lip
,
Interprofessional Relations
,
Nurses
,
Saliva
,
Tongue
pp.159-165
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2017207842
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
多職種連携の必要性
日常臨床において,口腔ケアを行う主体者は,看護師や介護士である。一方,歯科医師や歯科衛生士は口腔のプロフェッショナルであるため,歯科医療者が行う口腔ケアで,ケアの質が高まることは間違いないだろう。実際,歯科衛生士によるProfessional Oral Careの感染対策効果についても報告されている1,2)。そのため,歯科衛生士が病院や施設で口腔ケアを行う機会が増えているが,歯科衛生士がすべての患者に対して口腔ケアを行うことは不可能である。そこで,看護師が行う日常的な口腔ケアと歯科衛生士が行う専門的な口腔ケアとの役割分担を明確にし,職種間の連携を強くすることで,口腔ケアの質と効率を高めることが可能となる。実際,看護師が口腔ケアを標準化し,ケアの効率を高めて,感染予防効果を示している報告でも,介入前の口腔ケアプロトコルの開発や実技指導に,歯科医師や歯科衛生士が関わっていることが多い3-5)。口腔ケアの職種間連携は,急性期病院と老人保健施設では,関わる職種が異なるかも知れないが,口腔ケアを効率的かつ効果的に実施するためには,どの施設においても多職種連携が不可欠である。そこで,本稿では,口腔ケアにおける職種間連携の目的ならびにその実施方法について,当院(藤田保健衛生大学)での取組みも含めて説明していく。
Copyright(C) 2017 Van Medical co., Ltd. All rights reserved.