特集 特殊染色を科学する
2.各論―各種染色の原理・メカニズム 4)銀染色を科学する
渡辺 明朗
1
,
廣井 禎之
2
1元 サクラファインテックジャパン株式会社
2順天堂大学 医療科学部 臨床検査学科
pp.915-921
発行日 2024年9月15日
Published Date 2024/9/15
DOI https://doi.org/10.32118/mt52090915
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真菌細胞壁には,他の組織部位などに比べ多糖類を多量に含む特徴がある.クロム酸酸化の程度を適切にコントロールし,真菌細胞壁の多糖類にクロム酸酸化反応の酸化生成物であるアルデヒドを残存させた後,メセナミン銀液に浸すと,アルデヒドにより銀イオンが還元されて金属銀が生じる.グロコット染色は,この金属銀が真菌細胞壁に沈着することで真菌が染まる.本稿では,グロコット染色を例に銀染色を科学する.
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