技術講座
酵素基質培地の使いこなし方
中山 麻美
1
1東北大学病院 診療技術部 臨床検査部門
pp.170-176
発行日 2024年2月15日
Published Date 2024/2/15
DOI https://doi.org/10.32118/mt52020170
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◎酵素基質培地は,菌種の鑑別や薬剤耐性菌の有無の把握を,培養翌日に行うことができる.特に複数菌が混在するケースにおいて有用であり,微生物検査の経験年数に関係なく菌種の区別をすることができ,起炎菌の選定に役立つ.
◎集落の色調と菌種鑑別のキーとなる生化学的性状を組み合わせた簡易同定アルゴリズムを用いることで,日常検査で分離頻度の高いグラム陰性桿菌の菌種同定が可能である.
◎適切な検体に適切なタイミングで酵素基質培地を使用することで,日常検査の効率化につながり,費用対効果の高い検査を実現できる.早期の結果報告に有益であり,ひいては院内感染対策,感染症診療および抗菌薬適正使用に役立つ情報を臨床に提供することに寄与する.
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