報告
2型糖尿病を有する多発外傷の高齢者患者に積極的栄養強化を行った一症例
倉奥 咲都子
1
,
新井 伸征
2
,
上原 和也
3
,
花山 耕三
2
Satoko Kuraoku
1
,
Nobuyuki Arai
2
,
Kazuya Uehara
3
,
Kozo Hanayama
2
1川崎医科大学附属病院 栄養部
2川崎医科大学附属病院 リハビリテーション医学教室
3川崎医科大学附属病院 看護部
キーワード:
多職種連携
,
糖尿病
,
活動性
,
栄養量設定
,
体組成測定
Keyword:
多職種連携
,
糖尿病
,
活動性
,
栄養量設定
,
体組成測定
pp.228-232
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn145020228
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症例は,併存疾患として糖尿病のある73歳男性.多発外傷による骨折部に対して,観血的整復固定術を施行され,継続したリハビリテーション目的に入院となった.多発外傷後の廃用症候群に加えサルコペニアの疑いあり,積極的な栄養療法が必要と考え,必要栄養量の見直しを行った.その際,糖尿病を悪化させる可能性があったため医師と協議し,糖尿病の内服薬の用量を増やして,糖尿病の悪化を防ぎながら十分な栄養量を提供することにした.
さらに,筋肉合成促進のためBCAA配合の経腸栄養剤付加を行った.結果,糖尿病を悪化させることなく,歩行可能となり退院となった.糖尿病を有する場合でも医師と協議し,薬物療法を調整のうえ,積極的な栄養療法を実施することは有用であり,良好な転帰が得られた.
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