Japanese
English
第1土曜特集 閉塞性肺疾患診療アップデート
気管支拡張症
気管支拡張症の診断と治療
Diagnosis and management of bronchiectasis
森本 耕三
1
Kozo MORIMOTO
1
1結核予防会複十字病院
キーワード:
気管支拡張症
,
診断
,
原因疾患
,
DPP-1阻害薬
Keyword:
気管支拡張症
,
診断
,
原因疾患
,
DPP-1阻害薬
pp.953-956
発行日 2026年9月5日
Published Date 2026/9/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu298100953
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
気管支拡張症は,不可逆的な気管支拡張を特徴とする慢性呼吸器疾患であり,慢性的な咳嗽や喀痰,反復する気道感染を主症状とする疾患である1).胸部高分解能CT(HRCT)の普及により診断される機会が増加し,かつては比較的まれな疾患と考えられていたが,近年では高齢化の進展とともにその有病率の増加が報告されている1,2).気管支拡張症は単一の疾患ではなく,感染症,免疫異常,自己免疫疾患,遺伝性疾患など,多様な原因により生じる不均一な疾患群である3).本症の病態は,粘液線毛クリアランスの障害,慢性的な細菌感染,好中球主体の炎症反応,気道構造の破壊が相互に影響しあいながら進行する “vicious vortex(悪循環の渦)” として理解されている.この病態により慢性的な気道感染や炎症が持続し,増悪を繰り返すことで肺機能低下や生活の質(QOL)の低下をきたすことが知られている2,3).そのため,気管支拡張症の管理においては原因疾患の検索と適切な診断に加え,感染,炎症,粘液貯留といった病態の各要素に対する包括的な治療戦略が重要となる.近年,気管支拡張症に対する研究は大きく進展しており,気道クリアランス療法(ACTs)や長期マクロライド療法,吸入抗菌薬などの治療法に関するエビデンスが蓄積されている.また,好中球性炎症を標的とした新規治療薬の開発も進んでおり,従来の治療体系を大きく変える可能性が示されている.本稿では,気管支拡張症の診断における基本的な考え方を整理するとともに,現在の治療戦略および近年開発が進んでいる新規治療について概説する.

Copyright © 2026 Ishiyaku Publishers,Inc. All Rights Reserved.

