Japanese
English
第5土曜特集 心不全診療の未来戦略――ゲノム,AI,多臓器連関が拓く新時代
急速に進歩し続けるゲノム・オミクス研究のcutting edge
心房細動発症のメカニズムに迫る
-――シングルセル解析の最新知見
The latest insights on atrial fibrillation revealed by single-cell analysis
沢見 康輔
1,2
Kosuke SAWAMI
1,2
1東京大学医学部附属病院先端循環器医科学講座
2佐賀大学医学部循環器内科
キーワード:
心房細動
,
scRNA-seq
,
snRNA-seq
,
snATAC-seq
Keyword:
心房細動
,
scRNA-seq
,
snRNA-seq
,
snATAC-seq
pp.774-778
発行日 2025年11月29日
Published Date 2025/11/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295090774
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
心房細動の患者数は今後も増加すると予測されており,新規治療法の開発が求められている.シングルセル解析,特にscRNA-seq,snRNA-seqによる1細胞レベルの遺伝子発現解析によって,心房細動患者の心筋組織における各細胞種の遺伝子発現変化の詳細な解析が可能になった.心筋組織に含まれる細胞種のうち,心筋細胞,線維芽細胞,マクロファージを中心とする免疫細胞の遺伝子発現解析の結果が報告されており,心筋細胞におけるATRNL1やマクロファージにおけるSPP1の心房細動への関連が示唆されている.しかし,現在までの心房細動に関するシングルセル解析には再現性,解析に用いる解剖学的部位の限定,疾患多様性に関する検討,ゲノムワイド関連解析(GWAS)で得られた知見との統合などに関して課題がある.これらの課題を解決しながら研究を進めることによって,心房細動の新たな治療方法の開発につながる知見が得られると期待される.

Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.

