連載 ケースから学ぶ臨床倫理推論・25
小児の輸血拒否
-――15歳未満の場合
掛江 直子
1
Naoko KAKEE
1
1国立成育医療研究センター 生命倫理研究室
キーワード:
信仰
,
輸血拒否
,
新生児
,
代諾
,
医療ネグレクト
Keyword:
信仰
,
輸血拒否
,
新生児
,
代諾
,
医療ネグレクト
pp.309-315
発行日 2025年10月25日
Published Date 2025/10/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295040309
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Case 信仰上の理由によって子どもへの輸血が拒否されたケース
患者Aは生後6カ月の男児で,ファロー四徴症と診断されており,成長を待って1歳くらいに輸血を伴う可能性の高い心臓の手術(心内修復術)を受けなければ長期の生存は難しい.また現状,チアノーゼが強く,無酸素発作を繰り返している状態であることから,喫緊に姑息術(BTシャント術)を行い,肺の血流を増やす必要がある.
両親は信仰上の理由から無輸血での手術を希望しているが,病院としては無輸血で手術を施行することは児にとって不利益を生じかねないと考えている.

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