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第1土曜特集 人生100年時代を見据えて がんと生活習慣病(心疾患/糖尿病/CKD/MAFLD)を再考する──共通リスク因子,予防・治療の最新アプローチ
トピックス
生活習慣病とがん
-――病態モデルマウスからの最新知見
Life-style related diseases and cancer
――Updates from disease model mice
竹田 安孝
1
,
熊代 尚記
1
Yasutaka TAKEDA
1
,
Naoki KUMASHIRO
1
1金沢医科大学医学部糖尿病・内分泌内科学
キーワード:
生活習慣病
,
モデルマウス
,
過栄養
,
肥満
Keyword:
生活習慣病
,
モデルマウス
,
過栄養
,
肥満
pp.855-859
発行日 2023年9月2日
Published Date 2023/9/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28610855
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食生活の欧米化に伴う過栄養を基盤とした肥満の形成は,心血管疾患のみならず種々のがんの発症リスクを上昇させる.その機序の中心は,過栄養に伴う脂肪蓄積とインスリン抵抗性と考えられており,過栄養および肥満に伴うがんの発生ならびに進展機序を明らかにするべく,さまざまなモデルマウスを用いた検討が行われている.過栄養による肥満モデルマウスの作製に広く用いられている高脂肪食の摂餌は,大腸がん,乳がん,膵がんのモデルマウスにおける発がんを促進するほか,高フルクトース食あるいは高コレステロール食との組み合わせにより,肥満マウスにおける非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を背景とした肝がんの発生を誘発する.こうした病態モデルマウスを用いた知見は,ヒトにおける過栄養・肥満と関連した種々のがんの発症ならびに進展機序の解明に大きく寄与するものと期待される.
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