Japanese
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特集 神経系リハビリテーションの新潮流――機能回復治療に革新をもたらす最新の知見
睡眠の理解がもたらす,脳卒中リハビリテーションの新たな展望
New perspectives on stroke rehabilitation revealed by understanding sleep
大嶋 理
1
,
川上 途行
1
Osamu OSHIMA
1
,
Michiyuki KAWAKAMI
1
1慶應義塾大学リハビリテーション医学教室
キーワード:
睡眠
,
不眠障害
,
睡眠関連呼吸障害
,
夜間睡眠ポリグラフ検査(PSG)
,
脳卒中
,
リハビリテーション
Keyword:
睡眠
,
不眠障害
,
睡眠関連呼吸障害
,
夜間睡眠ポリグラフ検査(PSG)
,
脳卒中
,
リハビリテーション
pp.750-754
発行日 2023年5月20日
Published Date 2023/5/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28508750
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不眠症や睡眠関連呼吸障害といった睡眠障害は,有病率の高い身近な疾病である.患者の睡眠を評価することは容易ではないが,従来から存在する夜間睡眠ポリグラフ検査(PSG)や睡眠日誌,質問紙法に加え,近年は活動量計を用いて睡眠の質を評価する試みも広まっている.睡眠障害は脳卒中のリスクであるとともに,脳卒中後に高頻度で出現する続発症でもあるが,臨床現場において十分な理解や対応が行われているとは言い難い.今日までのエビデンスの蓄積により,睡眠障害はリハビリテーションの重要な要素である運動学習や記憶,注意力,遂行機能など多くの面に悪影響を及ぼし,脳卒中患者の機能回復や生活の質(QOL)の阻害因子となることが明らかになりつつある.今後,より詳細に睡眠障害と機能回復との関連性が解明されるだけでなく,睡眠の質そのものに介入し,脳卒中リハビリテーションの効果を最大化する試みが必要になっていくと思われる.
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