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特集 環境化学物質が人体へ与える影響
有機フッ素化合物(PFAS)への曝露とヒト健康リスク
Environmental contamination and exposure of per- and polyfluoroalkyl substances and their health risks
原田 浩二
1
,
藤谷 倫子
1
,
藤井 由希子
2
Kouji H. HARADA
1
,
Tomoko FUJITANI
1
,
Yukiko FUJII
2
1京都大学大学院医学研究科環境衛生学分野
2第一薬科大学薬学部
キーワード:
有機フッ素化合物(PFAS)
,
フッ素化アルキル化合物
,
曝露
,
健康リスク
Keyword:
有機フッ素化合物(PFAS)
,
フッ素化アルキル化合物
,
曝露
,
健康リスク
pp.144-149
発行日 2023年4月8日
Published Date 2023/4/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28502144
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有機フッ素化合物(PFAS)は20世紀半ばから,生活用品,工業製品,燃料火災用の泡消火剤,フッ素樹脂の製造過程での助剤などとして幅広く利用されてきた.ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とペルフルオロオクタン酸(PFOA)の2物質が代表的なPFASであった.これらは環境中で分解せず,生物に蓄積することから将来的なリスクが懸念され,2000年以降,PFASを製造,使用する各社でPFOSとPFOAの製造を自主的に廃止してきた.しかし,過去に使用されたPFASが環境に残留し,水道水などの汚染を引き起こし,住民のPFAS曝露につながっている.2022年,米国や欧州では水道水濃度や血中濃度についての勧告が相次いで公表されている.その示された水道水中PFASの勧告値は,現在の日本においても達成できないほど厳しい.また血中濃度についてのガイダンス値についても,多くの住民で超過する地域が明らかになってきている.
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