Japanese
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TOPICS 腎臓内科学
メタボリック症候群におけるCD147/Basiginの役割
Role of CD147/Basigin in metabolic syndrome
龍華 章裕
1
Akihiro RYUGE
1
1名古屋大学大学院医学系研究科病態内科学講座腎臓内科学
pp.1169-1170
発行日 2022年3月12日
Published Date 2022/3/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280111169
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糖新生とは糖質以外の物質からグルコースを産生する経路であり,その基質としては乳酸やピルビン酸といったモノカルボン酸が利用されている.具体的には,乳酸やピルビン酸がmonocalboxylate transporter(MCT)を介して細胞内に輸送され,輸送された乳酸やピルビン酸は細胞内でミトコンドリアのmitochondrial pyruvate carrier(MPC)あるいはMCTを介してミトコンドリア内のTCA回路に流入し,オキサロ酢酸からミトコンドリア外に流出しフルクトース-6-リン酸,グルコース-6-リン酸を経てグルコースに変換される.2型糖尿病の主な原因である “インスリン抵抗性” 状態では糖新生が亢進する.実際,ヒトでもマウスでも,インスリン抵抗性が生じるとTCA回路は活性化し1,2),乳酸やピルビン酸の安定同位体を用いた検証でも,それに由来するTCA回路の中間代謝産物はインスリン抵抗性によって増えることから,乳酸やピルビン酸は糖新生の活性化による血糖値上昇に大きく寄与している3).
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