臨床経験
巨大卵巣嚢腫による横隔膜機能不全を合併した心停止後症候群における早期リハビリテーション治療の経験
櫻井 義大
1
,
新見 昌央
,
長谷川 雄紀
,
又吉 由紀子
,
谷島 和
,
奥野 憲司
,
樋口 謙次
,
安保 雅博
1東京慈恵会医科大学 リハビリテーション医学講座
キーワード:
嚥下障害
,
横隔膜弛緩症
,
呼吸訓練
,
人工呼吸
,
超音波診断
,
低酸素脳症
,
早期離床
,
卵巣腫瘍
,
リハビリテーション
,
心停止後症候群
,
嚥下訓練
,
呼吸介助
Keyword:
Ultrasonography
,
Diaphragmatic Eventration
,
Deglutition Disorders
,
Early Ambulation
,
Post-Cardiac Arrest Syndrome
,
Hypoxia, Brain
,
Breathing Exercises
,
Ovarian Neoplasms
,
Rehabilitation
,
Respiration, Artificial
pp.299-304
発行日 2023年3月15日
Published Date 2023/3/15
DOI https://doi.org/10.32118/J02606.2023127254
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症例は39歳女性で、呼吸困難と体動困難を主訴とした。腹腔内に大量の液体貯留を認め、単純CT検査時の体位変換で心肺停止に至り、蘇生後人工呼吸管理でICU入院となった。第4病日より呼吸訓練を含めたリハビリテーション治療を開始したがギャッジアップで換気不全をきたし、画像上の巨大な卵巣嚢腫による横隔膜挙上と超音波検査上の横隔膜運動低下を認め、横隔膜機能不全と診断した。腹部に保持した枕により季肋部を下方から圧迫する方法が呼吸状態の安定に有用であった。第22病日のリハビリテーション中に発作性交感神経機能過活動(PSH)が出現し、速やかに多職種で情報共有しガバペンチン投与が開始された。第32病日に気管切開術、両側付属器切除術、腹壁形成術を施行し、第36病日に人工呼吸器を離脱しICU退室となった。その後2ヵ月間はハビリテーション治療に難渋したが緩徐に耐久性や認知機能が向上し、第128病日に回復期リハビリテーション病院に転院した。
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