案件から学ぶ医療事故の対策と問題点
下顎部切創への不適切な治療により瘢痕が残存した例
向井 秀樹
1
1東邦大学医療センター大橋病院皮膚科
pp.536-537
発行日 2026年6月1日
Published Date 2026/6/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000004613
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・3歳,女児.保育園の庭を友達と走り回っている最中に転倒し顔面に受傷.園に近いA医院を受診.下顎部に1cm大の裂傷と右頰部に軽度の擦過傷を認め,裂傷部位から出血し,痛みで号泣している.生理食塩水で局部を拭き取り,圧迫止血後にゲンタシン®軟膏を外用し絆創膏で保護,頰部は外用のみ.外傷は大したことがないので,ゲンタシン®軟膏を塗っておくようにと保育士に話し終診.
・ A医院は当該の保育園の嘱託医であり,標榜科は内科,小児科,皮膚科である.
・保護者は迎えのときに,女児の下顎部の絆創膏に気づく.保育士は園内で転倒しA医院で加療したと説明.心配はないので,絆創膏が取れたらゲンタシン®軟膏を塗るようにという医師の見解を伝える.
・保護者は,傷は大したことがないものと判断し,とくに絆創膏は交換せず放置する.数日後に絆創膏が剝がれて,下顎部に白色調の引きつれを発見.処方薬を外用する.擦過傷は略治.
・ 受傷2週間後,下顎部に1cm大の紡錘形でやや隆起する瘢痕が残存していた.市中病院の形成外科を受診するも,現在は手術の適応はなく,経過観察するように説明される.その後,皮膚科を受診するも経過観察となる.
(「経過」より)
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