案件から学ぶ医療事故の対策と問題点
ステロイド外用薬による酒皶様皮膚炎例
向井 秀樹
1
1東邦大学医療センター大橋病院皮膚科
pp.448-449
発行日 2026年5月1日
Published Date 2026/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000004587
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・30歳代,女性.1年前から両頰部や鼻翼部に軽度の痒みを伴う紅斑あり.生理不順があり近医婦人科を受診時に,顔面湿疹に対しアルメタ®軟膏やモイゼルト®軟膏が処方されるが,症状は一進一退を繰り返す.適正な診断と治療を目的に皮膚科専門医を受診する.小児期より喘息があり,ステロイド吸入薬を常用している.
・両頰部や鼻翼部に紅斑と毛包性丘疹,脂漏性鱗屑を認め脂漏性皮膚炎と診断.ダーモスコピー検査で明らかな毛細血管拡張像はない.リンデロン®V軟膏とニゾラール®クリームを処方.2週間ごとの来院を促す.
・紅斑や痒みは軽快しロコイド®軟膏に切り替える.毛包性丘疹は改善せず,ゼビアックス®クリームを併用.皮膚症状は小康状態だが,ロコイド®軟膏を外用しないと顔の火照り感を自覚.ネット検索で酒皶を疑い医師に相談するも否定され,初診から4カ月後にほかの皮膚科医に転院する.
・後医では,ステロイド外用による酒皶様皮膚炎と診断する.悪化要因であるステロイド外用薬は中止を指導.ロゼックス®ゲルに抗菌薬ケフラール®内服を処方される.
・急速に顔面皮疹は悪化し,眼瞼の浮腫に加え,頰部は発赤腫脹し浸出液が出る“リバウンド現象”をきたす.顔面病変は酷く,営業職であることから自己判断で4カ月間自宅安静とした.
(「経過」より)
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