特集 強皮症およびその関連疾患
臨床例
混合性結合組織病患者の顔面に生じ、lichen sclerosus様の組織所見を伴った色素斑
伊藤 瞳子
1
,
落合 豊子
,
青木 見佳子
,
山中 健次郎
1駿河台日本大学病院 皮膚科
キーワード:
混合性結合組織病
,
色素異常症
,
鑑別診断
,
皮膚疾患-顔面
,
免疫組織化学
,
苔癬-硬化性萎縮性
,
皮膚鏡検査
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Facial Dermatoses
,
Immunohistochemistry
,
Mixed Connective Tissue Disease
,
Pigmentation Disorders
,
Lichen Sclerosus et Atrophicus
,
Dermoscopy
pp.929-932
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014038302
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<症例のポイント>自験例は、以前開口障害を伴うほどの顔面の皮膚硬化を呈した強皮症dominantの混合性結合組織病(mixed connective tissue disease、以下、MCTD)患者である。硬化が軽快後、左頬部に特異な色素斑を生じて来院。色素斑部の病理組織学的所見ではMCTDとlichen sclerosusの両方の所見がみられた。従来より、限局性強皮症とlichen sclerosusの両方の特徴が単一の病変部位に認められる症例の報告があるが、MCTDとlichen sclerosusが同一病変にみられた報告はない。自験例の色素斑の発症機序として、MCTDの皮膚硬化に伴う還流不全が基盤にあり、その2次的変化としてlichen sclerosus様組織所見を伴ったものと推測した。色素斑に対する治療はQスイッチレーザーを照射し有効であった。
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