特集 医療安全と事故・紛争対応への実際
社会対応
報道関係から見た情報開示
前村 聡
1
Akira Maemura
1
1日本経済新聞社総合解説センター 編集委員(医療面編集長)
pp.1105-1108
発行日 2025年10月25日
Published Date 2025/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001350
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はじめに
「医療ミスが起きたとき,なぜ自ら公表しなければならないのか」。私が長年担当させていただいている医療事故・紛争対応研究会の人材養成講座の最終時限で「記者の立場から見た情報開示」というテーマで医療事故の情報開示の大切さを伝える講義をすると,受講している医療安全担当者からこのように質問されることがある。もちろん「自ら公表しなければならない」という法律などのルールはない。それでも私は「自ら公表したほうがよい」と伝えている。それは,①社会的な信頼を獲得できる,②組織内に安全で公正な文化(Just Culture)を醸成して次なるミスを防ぐ―ためである。

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