特集 小児がん診療の新展開
各論 小児がん治療の新展開
髄芽腫
福岡 講平
1
Kohei Fukuoka
1
1埼玉県立小児医療センター血液・腫瘍科
pp.1435-1439
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002758
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はじめに
髄芽腫は小脳・第四脳室に発生する代表的な小児悪性脳腫瘍の一つで,乳児を含めた小児期から成人までどの年齢層にも発症する可能性があり,発症年齢は中央値9歳である1)。小児人口100万人当たり6例の発症率とされるが1),人種などによる発症頻度の差は報告されていない。播種をきたす性質があるため,髄芽腫に対しては,外科的摘出,全脳脊髄照射(craniospinal irradiation:CSI)を含めた放射線治療,化学療法を含めた集学的治療が必要であるが,その治療強度は従来から臨床リスク分類による層別化が行われてきた。本疾患は化学療法の導入により放射線照射量の低減が可能になり治療骨格が大きく変化した疾患の一つであるが,近年用いられている分子分類より今後さらに診断,治療の選択が大きく変わってくる可能性がある。

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