特集 コロナ禍でのグローバルヘルス
各論:課題別対応
小児のLong COVID
相澤 悠太
1
AIZAWA Yuta
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野
pp.120-123
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000741
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はじめに
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が出現,世界に拡散し,すでに3年が経過した。この間,変異株の出現,抗ウイルス薬やワクチンの開発など多くの知見が集積され,明らかにされてきた。一方で,未解明の課題も複数あり,Long COVIDもその一つである。いわゆる後遺症とよばれる症状で,日常生活に支障が出ることもあり,本人だけでなく社会全体にとっても問題となりうる。オミクロン株の登場で国内でも感染者数が飛躍的に増加し,その結果として後遺症に悩む人数の増加,ならびに臨床医が診療する場面も増加している。子どもたちも例外とは限らないが,子どもについてのデータが少なく実情が不透明であることも事実である。厚生労働省から,新型コロナウイルス感染症診療の手引きの別冊として罹患後症状のマネジメントが発刊されており,随時改訂され,症状へのアプローチがまとめられている1)。本稿では,成人を含めたLong COVIDの全体像について,さらに小児のLong COVIDについて,現時点での知見をまとめた。
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