特集 気管支喘息のガイドラインを実臨床に生かす―こんなときどうする?
コラム
喘息療養所で過ごした子ども時代
川口 明日香
1
KAWAGUCHI Asuka
1
1杏林大学医学部小児科学教室
pp.814-814
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000174
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1980年生まれの筆者が気管支喘息を発症したのは3歳のときです。そのころはまだ喘息の長期管理薬に吸入ステロイド薬やロイコトリエン受容体拮抗薬はなく,毎日ネオフィリン®を内服して,朝晩ネブライザーで気管支拡張薬の吸入を行うという治療でした。それでもほとんど毎日明け方に苦しくて目が覚めました。幼稚園のころは毎月のように入院しており,入院しなかった月があると「今月は大丈夫だったね」と親子ともども胸を撫で下ろす日々でした。梅雨時と秋の急性増悪は必発で,入院すると大部屋の顔ぶれは毎回一緒でした。この時代にはこのような重症喘息の子どもがたくさんいました。小学校中学年以降は気管内挿管を要する発作から長期入院が続き,1学期分学校に行けなかったこともありました。主治医の先生から喘息療養所の話があったのはそんなときでした。埼玉県に転居して療養所に入ることになりました。
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