特集 合併症妊娠の包括的周産期ケア2026
各論
精神疾患(母体胎児)
清野 仁美
1
SEINO Hitomi
1
1兵庫医科大学精神科神経科学講座
pp.749-753
発行日 2026年7月10日
Published Date 2026/7/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002765
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はじめに
妊産婦の10~20%にうつや不安がみられるといわれており,精神疾患は高頻度の母体合併症といえる。母体のメンタルヘルス不調は,胎盤機能を介して視床下部−下垂体−副腎(HPA)系,免疫系,エピジェネティック調節に影響を及ぼし,児の神経発達やストレス応答に長期的影響を与えることが知られている。さらに,精神疾患が重度になるとセルフケアが不足し,妊婦健診未受診,低栄養あるいは肥満,喫煙,飲酒,自傷,自殺などのハイリスク行動につながりやすい。また,産後の母親のメンタルヘルス不調は母子相互作用の質の低下につながり,児の成長・発達を妨げるおそれがある。したがって,プレコンセプションから産後までメンタルヘルスの向上を目指して包括的な介入を行うことは,母子の健康を守るうえで重要な意義をもつと考えられる。

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