特集 周産期の感染症対策
各論
新生児の細菌叢からみた感染対策
荒木 亮佑
1
,
友滝 清一
1
ARAKI Ryosuke
1
,
TOMOTAKI Seiichi
1
1京都大学医学部附属病院総合周産期母子医療センター新生児部門
pp.125-130
発行日 2026年2月10日
Published Date 2026/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002588
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はじめに
われわれの生体内には種として500以上,数として100兆以上の多種多様な細菌が存在している。それぞれ形成されている細菌叢をmicrobiota,細菌・微生物集団がもつゲノム情報や機能を含めた全体のことをmicrobiomeと呼ぶ。常在細菌叢は宿主と共生(symbiosis)し,エネルギー産生,感染防御,免疫活性をはじめさまざまな役割を担っている。Microbiomeの解析方法は飛躍的な進化を遂げ,メタゲノム解析が可能になってからは,消化管疾患,メタボリックシンドロームをはじめ多くの疾患に対する研究報告がなされている。周産期医療においても,妊娠中母体の腟,腸管内,胎盤をはじめ新生児の腸管内,気管内のmicrobiome解析の研究が多数なされている。これらの細菌叢の乱れ(dysbiosis)は妊娠中の合併症や,出生後のさまざまな疾患と密接に関係していることが明らかになってきた。そのため新生児医療においても,正常細菌叢を意識した治療戦略が重要である。

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