特集 見て,聞いて,触って,五感で診る新生児の異常とその対応
体温の異常
白石 淳
1
SHIRAISHI Jun
1
1大阪急性期・総合医療センター
pp.1470-1473
発行日 2022年10月10日
Published Date 2022/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000377
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はじめに
恒温動物であるヒトは環境温の変化に対して体温を一定に保つ体温調節機能がある。寒い環境下では熱を産生し,暑い環境下では皮膚の血管を拡張して発汗し,熱を発散させることで体温を一定に保っている。この体温調節可能温度域において,熱産生は最小にとどまるが,深部体温が一定に保たれる温度環境を中性温度環境(neutral thermal environment)という。環境温を少しずつ下降させると,エネルギー消費量が次第に増加していくが,しばらく体温は一定に保たれている(図1)1)。新生児では中性温度環境の幅は狭く,いよいよ体温低下(もしくは上昇)が始まるまでの間に,児の変化にいかに気づき,いち早く介入できるかが重要である。生理学的特徴から,低体温(高体温)症にならないようにするためにできることを考えてみる。
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