特集 見て,聞いて,触って,身体所見から考える妊産褥婦の異常とその対応
動悸がする
神谷 千津子
1
KAMIYA Chizuko
1
1国立循環器病研究センター産婦人科部
pp.1081-1084
発行日 2022年8月10日
Published Date 2022/8/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000268
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はじめに
循環器医療の発展に伴い,先天性心疾患をもつ女性の多くが生殖年齢に達し,妊娠を希望するようになったことや,遺伝性不整脈などの診断率が向上したこと,母体の高年齢化などから,心疾患合併妊娠や不整脈合併妊娠は増加傾向にある1)。正常妊娠でも「動悸」症状を感じる頻度は高く,妊産婦自身が「大丈夫だろう」と判断し,医師に訴えない場合も多い。一方,動悸の原因として,肺塞栓症や心室性不整脈など,妊産婦の生命にかかわる疾患が隠れていることがある。妊産婦が「動悸」を訴える際は,慎重に鑑別診断を行う。
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