特集 メンタルヘルスの視点からみたCOVID-19感染の影響とその対応
感染症蔓延下における新生児医療関連施設,外来でのメンタルヘルスへの工夫
感染症蔓延下におけるNICU面接でのメンタルヘルス,面会と問題点への対応―各施設からの報告:日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院新生児科
山田 崇春
1
YAMADA Takaharu
1
1日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院新生児科
pp.891-893
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000213
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
当院は,県内で唯一の第一種感染症指定医療機関として,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発生当初より多くの患者を受け入れてきた。新型コロナウイルスの感染拡大は,リスクを抱えて生まれてきた赤ちゃんを預かる新生児集中治療室(NICU)にも影響を与えている。出産直後から離れて暮らす親子の関係づくりも担うNICUにおいて,感染防止のため面会が制限されて,親子が十分に触れ合うことができない。親が赤ちゃんの病気や障害などを受け入れ,退院後の子育てに向き合うには,入院中のかかわりがとても重要である。生後早期の母児分離は愛着形成に影響し,母親が自分に自信がもてなくなる。退院に向けて愛着を深める多くの家族がいる一方,「病院内や移動中の感染が怖い」と不安を感じ,面会の頻度が減る家族もいる。さらには,退院後に同じ境遇の親子が集まり交流する場も開けないため,孤立を深めている家庭が多い。本稿では,コロナ禍における当院NICUの現状について報告する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.