特集 メンタルヘルスの視点からみたCOVID-19感染の影響とその対応
感染症蔓延下における新生児医療関連施設,外来でのメンタルヘルスへの工夫
感染症蔓延下におけるNICU面接でのメンタルヘルス,面会と問題点への対応
水野 克己
1
MIZUNO Katsumi
1
1昭和大学医学部小児科学講座
pp.875-878
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000208
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はじめに
近年,妊娠・出産の時期に周囲からのサポートも得られない状況にある女性が増えている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック以降,その状態が著明になっている。このような状況で,早産や合併疾患,出生時の状況により児がNICUに入院することとなると母親の不安が強まることは容易に想像できる。さらに,わが子に会えない,会えても時間が制限されるという状況が退院まで続くことは,「母親」になるプロセス・母子関係の構築に大きな影響を与えると推測される。公衆の感染対策と個々の将来への影響という両面からこの問題は考える必要があり,NICUの特殊性とJohn Stuart Millの『自由論』,シラクサ原則(Siracusa Principle),国際保健規則(International Health Regulations:IHR)(2005)も参考としながら総論として感染症蔓延下におけるNICU面会を概説する。
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