特集 周産期のステロイド
基礎編
ステロイド薬の種類
平澤 典保
1
HIRASAWA Noriyasu
1
1東北大学大学院薬学研究科生活習慣病治療薬学分野
pp.5-9
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000001
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はじめに
ステロイド性抗炎症薬(ステロイド薬)は,副腎皮質ホルモンであるグルココルチコイドのホルモン作用のなかで,とくに抗炎症作用,および免疫抑制作用に着目して開発されたものである。さまざまな難治性の炎症性疾患にも有効な抗炎症薬として広く用いられている。一方,その強い薬理作用の結果として,またグルココルチコイドとしてのホルモン作用に基づいて,多様な,そして時に重篤な副作用が生じる場合がある。これら副作用の多くはステロイド薬の性質を十分理解して適正に使用することで軽減,回避することが可能である。ステロイド薬以外の治療薬ではコントロールが難しい疾患もあり,周産期においてもステロイド薬の使用を避けられない場合もあるが,適切なステロイド薬の選択,剤形,投与量に十分注意すれば使用することが可能である。
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