特集 細菌,ウイルス,真菌―微生物学のパラダイムシフト―
【耳領域】
反復性・遷延性中耳炎におけるバイオフィルムの役割
河野 正充
1
Masamitsu Kono
1
1和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
中耳炎
,
バイオフィルム
,
無莢膜型インフルエンザ菌
Keyword:
中耳炎
,
バイオフィルム
,
無莢膜型インフルエンザ菌
pp.263-266
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000002028
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はじめに
反復性・遷延性中耳炎は,免疫能が未成熟な小児においてしばしば経験される難治性疾患であり,従来の抗菌薬治療では再発を繰り返すことが少なくない。この遷延化・再燃に関わる要因の一つとして中耳腔内に形成されるバイオフィルムの存在が指摘されている。バイオフィルムは,菌体が細胞外マトリックスによって三次元構造を形成し,宿主免疫および抗菌薬から自らを防御する機構である。これにより,バイオフィルムは持続感染,治療抵抗性,再発といった反復性・遷延性中耳炎の病態に大きく関与する。反復性・遷延性中耳炎の治療においては,バイオフィルムの存在を念頭に置いた治療戦略が求められる。

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