特集 花粉症の疑問に答える
【疫学】
環境汚染とアレルギー性鼻炎は関連するか?
沖中 洋介
1
,
菅原 一真
1
Yosuke Okinaka
1
,
Kazuma Sugahara
1
1山口大学医学部耳鼻咽喉科学教室
キーワード:
アレルギー性鼻炎
,
環境汚染
,
PM2.5
,
黄砂
Keyword:
アレルギー性鼻炎
,
環境汚染
,
PM2.5
,
黄砂
pp.1031-1033
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001750
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はじめに
アレルギー性鼻炎は鼻粘膜のⅠ型アレルギー性疾患で,発作性反復性のくしゃみ,水様性鼻漏,鼻閉を3主徴とする。原因となるアレルゲン自体が外部環境因子として存在するため,その有病率は外部環境の変化に大きく依存している。たとえば,第二次世界大戦後に全国の山林で広く植林されたスギは,その大部分が花粉生産能力の高い30年以上の樹齢となっているため,1995年以前と以降では花粉飛散量が優位に増加しており,その結果,スギ花粉症の有病率についても近年著しい増加をきたしていると考えられている1)。

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