特集 てこずった症例・難治症例にどう対応するか
耳領域
人工内耳の偏位により再手術を要した好酸球性中耳炎症例
橋本 研
1
Ken Hashimoto
1
1自治医科大学耳鼻咽喉科学教室
キーワード:
人工内耳
,
再手術
,
好酸球性中耳炎
Keyword:
人工内耳
,
再手術
,
好酸球性中耳炎
pp.972-975
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001226
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
人工内耳手術は1985年にわが国で初めて行われ,およそ40年が経過した現在では全国の医療機関で広く実施されている。1998年に日本耳鼻咽喉科学会が定めた人工内耳適応基準では活動性の中耳炎を発症している耳への植え込みは禁忌とされていたが,近年は好酸球性中耳炎やANCA関連血管炎性中耳炎といった進行性の内耳障害をきたす中耳炎に対する手術例の報告や検討が珍しくなくなった。2017年版の新適応基準では中耳の活動性炎症は禁忌ではなく慎重な適応判断の対象へと改訂されたが,好酸球性中耳炎併存の手術例において術後合併症によって再手術に至ったとの報告は渉猟し得た範囲ではない。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.