特集 耳科診療の論点―異なる立場の対話とディベート―
さまざまな手術法の中から
鼓室形成術の周術期管理について―入院治療の立場から―
田中 康広
1
Yasuhiro Tanaka
1
1獨協医科大学埼玉医療センター耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
鼓室形成術
,
周術期管理
,
術前管理
,
持続吸引ドレナージ
,
surgical site infection
Keyword:
鼓室形成術
,
周術期管理
,
術前管理
,
持続吸引ドレナージ
,
surgical site infection
pp.329-331
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001009
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
鼓室形成術は鼓室内の炎症が高度であり,肉芽や瘢痕化した組織によって耳小骨の可動性が障害された慢性中耳炎や癒着性中耳炎,真珠腫性中耳炎が適応疾患として挙げられ,主に鼓室内の清掃と伝音難聴の改善を主眼において行われる手術療法である1)。慢性中耳炎でも鼓室内の清掃が不要であり,パッチテストにてパッチゲインを認める初回手術症例に対しては主に接着法による鼓膜形成術を行っており,基本的には日帰り手術で対応が可能である。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.