特集 耳科診療の論点―異なる立場の対話とディベート―
さまざまな治療法の中から
聴神経腫瘍の治療について―放射線外科と放射線療法の立場から―
片野 厚人
1
Atsuto Katano
1
1東京大学医学部附属病院放射線科放射線治療部門
キーワード:
聴神経腫瘍
,
放射線外科
,
放射線療法
Keyword:
聴神経腫瘍
,
放射線外科
,
放射線療法
pp.280-282
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000994
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はじめに
聴神経腫瘍とは蝸牛神経および前庭神経から発生する腫瘍の総称で,そのほとんどを前庭神経鞘腫(vestibular schwannoma:VS)が占める。VSに対する治療アプローチは,症状や腫瘍の大きさ,神経機能などの要因によって異なり,経過観察,手術療法,放射線治療が主な選択肢となる。95%以上の症例が片側に発症する孤発性VSであるが,神経線維腫症Ⅱ型(neurofibromatosis type 2:NF2)に関連したVSは両側性に発症するため著明なQOL低下の一因となる1)。
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