特集 高齢者の疑問にどう答えるか
その他
唾液腺の手術を受けると,唾液は減るのでしょうか?
鈴木 貴博
1
,
佐藤 輝幸
1
,
太田 伸男
1
Takahiro Suzuki
1
,
Teruyuki Sato
1
,
Nobuo Ota
1
1東北医科薬科大学医学部耳鼻咽喉科学
キーワード:
高齢者
,
唾液流量
,
顎下腺
,
耳下腺
Keyword:
高齢者
,
唾液流量
,
顎下腺
,
耳下腺
pp.1159-1162
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000771
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唾液分泌
健常人の1日の唾液分泌量はおよそ1,000~1,500mLである。唾液は嚥下促進,緩衝,消化,口腔粘膜保護,抗菌作用,口腔内衛生などさまざまな生理作用を有しており,栄養や免疫など全身の環境・機能の維持にも重要な役割を果たしている。味覚刺激や咀嚼など運動が加わった時に多量に分泌される “刺激時唾液” の分泌は主に耳下腺が司り,唾液総量の40~50%とされる1,2)。一方,外的な刺激の加わらない状態でも常に唾液は分泌されており,この “安静時唾液” の分泌は顎下腺が60~75%を,耳下腺が約25%を担う1~4)(表1)。顎下腺と耳下腺は唾液分泌の多くを担っていることから,これらの切除手術は術後の唾液量に影響をもたらす。
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