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特集 腎疾患治療薬 フロントライン
各論
第3章 泌尿器科疾患
17.排尿障害(過活動膀胱):β3作動薬
Lower urinary tract dysfunction(overactive bladder):β3 agonist
金城 真実
1
Kinjo Manami
1
1杏林大学医学部泌尿器科
キーワード:
過活動膀胱
,
β3作動薬
,
第1選択薬
,
ミラベグロン
,
ビベグロン
Keyword:
過活動膀胱
,
β3作動薬
,
第1選択薬
,
ミラベグロン
,
ビベグロン
pp.555-559
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002199
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1 はじめに
過活動膀胱(overactive bladder:OAB)とは,尿意切迫感(急に起こる我慢できないような強い尿意。通常の尿充満に伴い増強していく尿意とは異なる)を必須とし,この尿意切迫感のために通常は頻尿,夜間頻尿を伴い,切迫性尿失禁の有無は問わない症状症候群であり,同様の症状を呈する局所的な疾患(悪性腫瘍,下部尿路の炎症性疾患,尿路結石など)を除外する必要がある1)。加齢とともに有病率が上昇することから,超高齢社会を迎えたわが国において重要な疾患の1つである。2023年に行われたわが国における疫学調査2)によれば,40歳以上の男女のOABの有病率(図1)は13.8%(男性:16.6%,女性:11.0%)と報告されており,このうち69.8%(男性:64.3%,女性:77.6%)が切迫性尿失禁を合併し,生活の質(quality of life:QOL)を大きく障害する。しかし有症状者のうち受診率は16.0%(男性:20.3%,女性:9.9%)と低く,疾患の啓発,医療者からの積極的な介入が重要である。

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