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特集 腎移植:知っておくべき最新の話題
各論:最新の話題
献腎移植とバーチャルクロスマッチ
The potential of virtual crossmatching in deceased donor kidney transplantation
西川 晃平
1
NISHIKAWA Kouhei
1
1三重大学大学院医学系研究科腎泌尿器外科学分野
キーワード:
献腎移植
,
バーチャルクロスマッチ
,
シングルアンチゲン検査
Keyword:
献腎移植
,
バーチャルクロスマッチ
,
シングルアンチゲン検査
pp.169-173
発行日 2024年8月25日
Published Date 2024/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001418
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はじめに
腎移植におけるクロスマッチには長らく,CDCクロスマッチ(complement dependent cytotoxicity crossmatch:CDCXM)やフローサイトメトリークロスマッチ(flow cytometry crossmatch:FCXM)などのフィジカルクロスマッチ(physical crossmatch:PXM)が広く使用され,献腎移植の選定にも利用されてきた1)。しかし,シングルアンチゲンビーズ(single antigen beads:SAB)検査の結果とhigh resolutionヒト白血球抗原(human leukocyte antigen:HLA)タイピング(アレルレベル)をもとにして,ドナー特異的抗体(donor-specific antibody:DSA)の有無を判断するバーチャルクロスマッチ(virtual crossmatch:VXM)の目覚ましい進歩により,多くの国で献腎移植の組織適合性の判断材料としてVXMが活用されるようになった2)。わが国でも2024年6月より一定の条件下で献腎移植待機患者への抗HLA抗体検査が保険適用となったこともあり,今後献腎移植でのVXMの重要性は高まっていくと予想される。そこで本稿では,国内外での献腎移植におけるVXMの現状と今後の展望について,その原理も含め概説する。
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