Japanese
English
特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅵ.CKD
5.下肢末梢動脈疾患
Lower extremity artery disease
守矢 英和
1
,
小林 修三
1
Moriya Hidekazu
1
,
Kobayashi Shuzo
1
1湘南鎌倉総合病院 腎臓病総合医療センター
キーワード:
下肢末梢動脈疾患
,
包括的高度慢性下肢虚血
,
慢性腎臓病
,
血液透析
,
動脈硬化
Keyword:
下肢末梢動脈疾患
,
包括的高度慢性下肢虚血
,
慢性腎臓病
,
血液透析
,
動脈硬化
pp.430-434
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001070
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1 病因・病態
下肢末梢動脈疾患は,以前は閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans:ASO)と呼ばれた時代から末梢動脈疾患(peripheral artery disease:PAD)とよばれるようになり,最近では特に下肢の動脈病変に限定するためLEAD(lower extremity artery disease)と呼称が変わってきた変遷がある。いずれにせよ,LEADの背景の病態は動脈硬化であるが,動脈硬化のリスク因子としては,もともと古典的な因子としての喫煙や高血圧,糖尿病,脂質異常症などが知られており,糖尿病性腎症や腎硬化症の頻度が多くなってきた最近の慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者では,LEADの頻度も高くなってきている。一方で,動脈硬化の非古典的なリスク因子として貧血や体液過剰,慢性炎症,低栄養,高ホモシステイン血症,そしてカルシウムやリンを含む電解質代謝異常なども知られるようになったが1)。これらの病態はCKD患者にみられる病態でもあり,さらにCKD患者では動脈硬化が生じやすい背景がある。
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