Japanese
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特集 COVID-19と腎臓病
【総論】
COVID-19の病理像
Histopathology of COVID-19
平田 雄一郎
1
,
鈴木 忠樹
1
HIRATA Yuichiro
1
,
SUZUKI Tadaki
1
1国立感染症研究所 感染病理部
キーワード:
COVID-19
,
SARS-CoV-2
,
病理組織像
Keyword:
COVID-19
,
SARS-CoV-2
,
病理組織像
pp.25-29
発行日 2022年1月25日
Published Date 2022/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000005
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はじめに
新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)は,severe acute respiratory syndrome coronavirus 2(SARS-CoV-2)を原因病原体とする新興感染症である。2019年12月に中国・武漢から「原因不明の肺炎」として最初の症例が報告されて以降,SARS-CoV-2の流行は世界中へ急速に拡大した。感染症の制圧には,その感染症に対する特異的なワクチンや治療薬の開発が重要であり,そのためには病態への理解が不可欠であるが,特に病原体の局在や組織変化を明らかにすることが重要である1)。しかし,一般的なウイルス検査で用いられる呼吸器検体などのウイルス遺伝子検査/抗原検査や胸部CTでは,病原体の体内局在や組織変化を詳細に捉えることは不可能であり,COVID-19の発病機構および重症化機構を理解するためには,患者の組織検体を用いた病理学的な解析が必須である。
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