Japanese
English
特集 内視鏡的乳頭切除術まるわかり
序説 似て非なるもの
Introductory remarks
藤田 直孝
1
Naotaka Fujita
1
1みやぎ健診プラザ
pp.10-11
発行日 2022年1月25日
Published Date 2022/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000002
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1983年,衝撃的な症例報告が癌研グループからなされた1)。乳頭部腫瘍ただちに膵頭十二指腸切除術(pancreaticoduodenectomy:PD)が常識の時代に,十二指腸乳頭部腺癌症例,腺腫症例に対し内視鏡的に治療を行ったとする論文であった。前者では腺腫成分を含む35mm大の乳頭管状腺癌を3回に分けて切除し,深達度は不明なものの3回目終了79日後の内視鏡観察で腫瘍の遺残はみられず,生検も陰性であったと記されている。後者は40mm大の有茎性病変で,2分割で切除したことが報告されている。なお,この論文では引用文献に自験例の既報2)をあげ十二指腸乳頭部病変に対する内視鏡的切除の最初の報告としているが,筆者は入手することができず詳細は不明である。本邦のみならず世界に先駆けての報告であったが,国際的には10年後の1993年のBinmoellerらの論文3)が最初の内視鏡的乳頭切除術(endoscopic papillectomy:EP)に関する報告と認識されていることは,大変残念である。
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