特集 食道の炎症を視る
逆流性食道炎 Zollinger-Ellison症候群に伴う食道炎
小林 祥司
1
,
今川 直人
,
田中 佳祐
,
佐藤 公
1山梨大学医学部附属病院 第一内科
キーワード:
Zollinger-Ellison症候群
,
胃切除
,
食道炎-逆流性
,
食道鏡法
,
幽門
,
Vonoprazan
Keyword:
Zollinger-Ellison Syndrome
,
Esophagitis, Peptic
,
Esophagoscopy
,
Gastrectomy
,
Pylorus
,
1-(5-(2-fluorophenyl)-1-(pyridin-3-ylsulfonyl)-1H-pyrrol-3-yl)-N-methylmethanamine
pp.1169-1171
発行日 2019年8月25日
Published Date 2019/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020050964
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症例1(60歳代女性)。5年前より胸やけや呑酸に対しランソプラゾールを内服中であった。今回、4ヵ月前より前胸部痛、下痢、嘔吐が出現し近医へ入院した。入院後は黒色便を認め、上部消化管内視鏡検査にて多発する食道および十二指腸潰瘍を認め、当院へ転院となった。症例2(70歳代女性)。半年前から下痢と嘔吐を繰り返し、近医にて内服加療を受けるも改善が得られなかった。今回、上部消化管内視鏡検査にて逆流性食道炎、十二指腸に多発潰瘍を認め、当院へ紹介となった。精査の結果、いずれの症例もZollinger-Ellison症候群に伴う食道炎と診断にされ、共に幽門側胃切除術が行われた。その結果、症例1は術後ボノプラザンを投与し、食道炎は治癒した。症例2は術後瘢痕による狭窄を認めたため拡張術を施行したが、食事摂取には問題がみられていない。
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