特集 最新知識からめまい症例を診る!
症例から診るめまい診療 外傷性めまい
神田 裕樹
1
,
角南 貴司子
1大阪市立大学 医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
めまい
,
交通事故
,
側頭骨
,
純音聴力検査
,
頭蓋骨骨折
,
むち打ち損傷
,
ヘッドインパルステスト
,
頭部CT
Keyword:
Audiometry, Pure-Tone
,
Whiplash Injuries
,
Vertigo
,
Temporal Bone
,
Accidents, Traffic
,
Skull Fractures
,
Head Impulse Test
pp.59-62
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/J01814.2021117090
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頭部外傷性めまい症例2例を呈示した。症例1は26歳男性で、高さ2~3mから転落して左側頭骨骨折をきたした。意識障害軽快後に左顔面神経麻痺、左難聴、回転性めまいを自覚したためステロイド漸減加療を開始したが、難聴、ふらつき、顔面神経麻痺が持続した。聴力検査、眼振検査、温度眼振検査、vHIT、側頭骨単純CT各所見より、頭部外傷性外リンパ瘻による感音難聴、めまい(左前庭機能低下)と考え前庭リハビリとした。2ヵ月後にふらつき症状、左顔面神経麻痺は改善した。症例2は46歳女性で、交通事故でむち打ち、頸椎症を受傷し、3ヵ月後に左耳鳴り、ふらつき症状が増悪した。各種検査所見で明らかな異常は認めなかったが、立位・歩行時、電車に乗るなどの行動で症状が増悪した。むち打ち後から自覚した症状であり、外傷後に発症した持続性知覚性姿勢誘発めまいと診断し、前庭リハビリにより自覚症状は徐々に軽快した。
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