特集 実践-小児の輸液
合併症とその対策:輸液に伴う合併症 浸透圧性脱髄症候群
大田 敏之
1
,
郷田 聡
1広島県立広島病院 小児腎臓科
キーワード:
浸透圧
,
脱髄疾患
,
低ナトリウム血症
,
輸液療法
Keyword:
Hyponatremia
,
Osmotic Pressure
,
Demyelinating Diseases
pp.668-672
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2021208470
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<Key Points>Oyaらの症例の経過図(図2)を参照しながらまとめを示す。(1)ODSは、慢性の低Na血症の治療が規定よりも速い補正速度で行われた2~6日後にさまざまな神経症状を呈する疾患である(図2の(2)、(3))。(2)ODS予防のためには、補正速度は8~12mEq/L/24時間未満にすべきである。(3)補正速度が速すぎた場合には、予防的に5%糖液とデスモプレシンの投与で速やかに低Na血症に再導入する。(4)ODSを発症した後にも、治療目的で同様の再導入を試みる(図2の(4))。確立した治療法はまだない。
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