特集 小児の気道感染症-症状からどこまで原因を探れるか?
典型的な症例を見よう モラクセラ・カタラーリス中耳炎または鼻副鼻腔炎
杉田 玄
1
,
杉田 麟也
,
保富 宗城
1和歌山県立医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
Moraxella (Branhamella) catarrhalis
,
中耳炎
,
鼻炎
,
副鼻腔炎
,
細菌培養
,
モラクセラ科感染症
,
Gram染色
Keyword:
Moraxella catarrhalis
,
Rhinitis
,
Otitis Media
,
Sinusitis
,
Moraxellaceae Infections
pp.234-238
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2019142792
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<Key Points>(1)M.catarrhalisは生後もっとも早くから常在細菌叢を形成し定着することから、感冒などのウイルス感染の際に増殖して、容易に急性中耳炎の起炎菌(直接的病原菌)となりうる。(2)多くの抗菌薬に感性を示す反面、90%以上のM.catarrhalisがβ-ラクタマーゼを産生しペニシリン系抗菌薬に耐性を示す。(3)M.catarrhalisは直接的病原菌および間接的病原菌の両面をもつ。(4)M.catarrhalisによる急性中耳炎および急性鼻副鼻腔炎は乳幼児期に多い傾向がある。(5)診断には、通常の細菌培養に加えてグラム染色による白血球貪食像の有無を確認することで有用となる。
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