特集 周産期相談310 お母さんへの回答マニュアル 第3版
産科編 分娩 クラミジアに感染しているといわれたのですが、赤ちゃんは大丈夫ですか?
稲岡 直子
1
,
入山 高行
1東京大学医学部附属病院 女性診療科・産科
キーワード:
クラミジア感染症
,
妊娠合併症-感染性
,
自然分娩
,
Azithromycin
,
Clarithromycin
,
感染症垂直伝播
Keyword:
Natural Childbirth
,
Clarithromycin
,
Pregnancy Complications, Infectious
,
Chlamydia Infections
,
Azithromycin
,
Infectious Disease Transmission, Vertical
pp.265-266
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020088334
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<回答のポイント>1)クラミジアは産道感染により母体から新生児に20~40%の確率で感染して、結膜炎、咽頭炎、肺炎などをひき起こす可能性がある。新生児がクラミジア結膜炎と診断された場合には、抗菌薬の眼軟膏を1日5回、6~8週間の長期投与が必要となり、咽頭炎や肺炎の合併に注意する必要がある。2)クラミジアは我が国で最も多い性感染症であり、正常妊婦の3~5%に認められ、症状がみられないことが多い。3)新生児クラミジア感染症発症を防ぐために妊娠30週頃までにスクリーニング検査を行い、陽性であった場合はアジスロマイシンやクラリスロマイシンの内服の治療を行う。4)治療後3~4週間後には治癒の確認を行う。5)クラミジア陽性であった場合はパートナーの検査も必要である。
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